銀行でおまとめローンはできる?デメリットは?銀行カードローンの活用法を探る
複数の借り入れを一本化したいときに役立つのがおまとめローンです。銀行カードローンで借金を一本化する際のメリットとデメリットとは?審査の通りやすさが消費者金融との違い。おまとめローンはすべて総量規制の対象外です。
いつの間にか借金が増えて借り入れ先が複数になってしまった……という人が多いのではないでしょうか。借り入れ先が増えると返済日を忘れないようにしたり、それぞれの返済額を用意したりと煩わしいことが多くなります。
しかも、1社ごとの返済額はそれほど多くなくても、複数になると結構大変な額になるものです。そこでおすすめしたいのが「おまとめローン」です。借金を一本化すれば、今後の返済が楽になりますよ。今回は銀行カードローンを「おまとめローン」として利用する際のメリットとデメリットについてご説明していきます。
銀行におまとめローンはあるの?
まず素朴な疑問として「銀行におまとめローンはあるのだろうか?」と思いますよね。ネットでもあまり見かけませんが、実は特に「おまとめローン」というものはありません。
ただ、融資可能額の上限が高いことと、使い道が自由であることから、他社の借り入れを一本化するために使うことは可能です。
まずは各銀行カードローンの融資可能額と金利を見てみましょう。
銀行カードローンの融資可能額と金利
大手銀行カードローンの最大融資可能額と金利は、下記のようになっています。
銀行名 | 最大融資可能額 | 金利 |
---|---|---|
楽天銀行 | 800万円 | 1.9%~14.5% |
イオン銀行 | 800万円 | 3.8%~13.8% |
みずほ銀行 | 800万円 | 2.0%~14.0% |
三菱UFJ銀行 | 500万円 | 1.8%~14.6% |
新生銀行レイク | 500万円 | 4.5%~18.0% |
金利は消費者金融よりも低い
消費者金融には「貸金業法に基づく借換え専用のおまとめローン」があります。この場合の金利は下記の表のようになっています。
アイフル | 12.0%~15.0% |
---|---|
アコム | 7.7%~18.0% |
プロミス | 6.3%~17.8% |
もっとも高い金利(上限金利)で比較しても、銀行カードローンの金利の方が低いことがわかります。複数の借り入れを一本化するなら、できれば銀行カードローンを借りるのがおすすめですね。
銀行カードローンをおまとめローンに利用する際のメリット
まずは銀行カードローンをおまとめローンに利用する際のメリットを見てみましょう。最大のメリットは金利と総量規制がないということです。
銀行カードローンの金利のしくみ
上の例でも見た通り、銀行カードローンは消費者金融よりも金利が低く設定されています。
ただ、実際に銀行カードローンで借りる場合の金利は、審査結果で認められた融資可能額で決まります。融資可能額は銀行によってか「契約極度額」や「利用極度額」などさまざまな呼び方をしていますが、いずれもその人が借りられる限度額のことを指しています。
借りる人ごとに融資可能額は異なり、それに応じた金利が適用されます。例えばある銀行カードローンを申し込んで350万円の融資枠が得られた人の場合、金利は4.9%だったとします。
するとその人はその融資可能額以下ならいくら借りても4.9%で借りることができます。
一方、消費者金融は借りる額によって金利が決まります。(特に初めての利用者の場合は18.0%など上限金利で貸すことが多いようです。)
これが銀行カードローンと消費者金融の大きな違いです。
銀行カードローンの融資可能額による金利の違い
楽天銀行スーパーローンの例で金利を見てみましょう。楽天銀行では融資枠のことを「利用限度額」と呼んでいます。利用限度額に応じて、金利は次のように設定されています。
利用限度額 | 金利 |
---|---|
800万円 | 1.9%~4.5% |
600万円以上800万円未満 | 3.0%~7.8% |
500万円以上600万円未満 | 4.5%~7.8% |
350万円以上500万円未満 | 4.9%~8.9% |
300万円以上350万円未満 | 4.9%~12.5% |
200万円以上300万円未満 | 6.9%~14.5% |
100万円以上200万円未満 | 9.6%~14.5% |
10万円以上100万円未満 | 14.5% |
もし同じ50万円を借りる場合でも、利用限度額が50万円の人は14.5%で借りることになりますが、利用限度額が300万円の人は4.9%~12.5%で借りることができます。
利用限度額は審査の結果で決まりますが、少しでも利用限度額が多いほど金利は低くなるのです。特におまとめローンとして利用したい場合は融資希望額を高額で申し込みます。希望額で審査が通れば低金利で借りられるため、利息の支払いの負担が軽くなりますね。
銀行カードローンには総量規制がない
消費者金融との大きな違いは「総量規制」でしょう。消費者金融とクレジットカード会社、信販会社は「貸金業法」という法律の対象ですが、銀行カードローンは「銀行法」の対象です。
「総量規制」は貸金業法の中の項目のひとつで、貸金業社は年収の3分の1以上を貸してはいけないと決められています。そのため、年収が300万円の人なら3分の1の100万円までしか借りることはできません。
一方、銀行は貸金業法の対象ではないため、総量規制は適用されません。年収の3分の1を超えても融資は可能となっています。
消費者金融のおまとめローンは総量規制の対象外
消費者金融には複数の借り入れを一本化するための「おまとめローン」という商品があります。これは特別に総量規制から例外として認められているものです。そのため、すでに年収の3分の1を借りている人でも利用することができます。
ただ、おまとめローンは銀行カードローンよりも金利が高いというデメリットがあります。
銀行カードローンは使い道が自由
消費者金融のおまとめローンは他社の返済に利用することを条件に融資されます。しかも、審査が通ったらそのお金は自分の手元には入らず、消費者金融から返済先の会社に直接振り込まれます。(振り込み名義人はおまとめローンを申し込んだ人の名前です。)
一方、銀行カードローンは利用限度額すべてが使い道自由です。
全額を他社返済に充てることもできますし、少しは手元に残して生活費に充てることもできます。その場合は使い過ぎに注意しましょう。あくまでも他社を一本化するために借りているということを忘れないことが大切です。
銀行カードローンをおまとめローンに利用する際のデメリット
銀行カードローンにデメリットはないのでしょうか?気になるのは次の2点です。
- 審査が厳しい
- 完全に一本化できない可能性がある
銀行カードローンの審査は厳しい?
一般に銀行カードローンは消費者金融よりも審査が厳しいと言われています。しかも、銀行カードローンの審査は自分の銀行ではなく、「保証会社」に依頼しています。
保証会社とは
保証会社とは銀行から依頼を受けて、お金を借りる人の保証人代わりになる会社のことを指します。もし借りた人が返済できなくなると借金を弁済(べんさい)と言って立て替えて返済しなければなりません。そうならないために保証会社は審査も行っています。
銀行カードローンの利用条件の中に「保証会社の保証を受けられること」と書いてあるのはそのためです。
各銀行カードローンの保証会社
大手銀行カードローンの保証会社は次のようになっています。
銀行名 | 保証会社 |
---|---|
楽天銀行 | 楽天カード★、セディナ■ |
イオン銀行 | イオンクレジットサービス▲、オリックス・クレジット★ |
みずほ銀行 | オリエントコーポレーション■ |
三菱UFJ銀行 | アコム★ |
新生銀行レイク | 新生フィナンシャル★ |
(★:消費者金融・貸金業者、■信販会社、▲保証事業)
このように消費者金融や信販会社が保証と審査を引き受けています。
消費者金融やクレジットカードの返済が遅れた人は審査が厳しい!
消費者金融の中でも保証会社になっているアコムや、クレジットカードを発行しているセディナ、オリエントコーポレーションのカードなどを利用している人で、返済が遅れた経験がある人は要注意です。
それらの会社が保証会社になっている銀行のカードローンを申し込んでも、自分が返済遅延で迷惑をかけた会社なので審査は通りにくくなると言えるでしょう。
もちろんそれ以外の銀行でも、審査では信用情報機関に登録内容を照会します。そこで返済遅延があればすぐにバレてしまうので審査にマイナスの影響を与えます。
そういったことも含めて、銀行カードローンの審査は厳しくなると考えておくといいでしょう。
他社を一本化するほど借りられない可能性がある
銀行カードローンをおまとめローン目的で利用したいと考える場合、すでに複数の借り入れがあり、返済に困っている状況だと言えます。
その状況で銀行カードローンを申し込んでも、希望する額が借りられない可能性があります。
例えば本当は200万円借りたいのに、100万円しか借りられなかった……ということもあり得るのです。それでは解決にならないでしょう。
消費者金融のおまとめローンも視野に入れて検討する
その点、消費者金融のおまとめローンは最初から「他社返済」が目的のローンです。だからこそ総量規制の例外として認められています。
借り入れ件数が多くても審査に通る可能性があります。
ただし、その場合でも返済遅延が何度もあると、審査は厳しくなるでしょう。
おまとめローンを検討するなら、傷が深くならないうちに…つまり返済が何度も遅れないうちに検討することをおすすめします。