自営業やフリーランスは勤務先名はどう書けば良い?勤務先電話番号についても解説
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自営業者や個人事業主、フリーランスと一般の会社員やパート・アルバイトとの違いは自分で事業をしているということ。どこにも雇用されていない立場ですが、その場合勤務先名はどう書けばいいのでしょうか?
自営業と個人事業主・フリーランスの違いとは
ひと口に「自営業」と言っても規模はさまざまで、法人化している自営業者もいれば、フリーランスという立場の人もいます。
これらに厳密な定義はないようですが、特徴などから次のように分けられます。
自営業 | ・法人化することもある ・店舗や事務所を構えることが多い ・人を雇用することがある |
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個人事業主 | ・法人化しない ・人を雇わずに自分ひとりで仕事を請け負う |
フリーランス | ・法人化しない ・どこかに雇用されずに単発で仕事を請け負う ・プログラマーやWebデザイン、ライターなどIT系の仕事が多い |
自営業と個人事業主・フリーランスの収入の違い
自営業は法人化する場合も法人化しない場合もありますが、店舗や事務所を構えて、従業員を雇って事業経営するタイプです。その分、事業は大きくなり、収益も多くなります。ただし、店舗や事務所などの固定経費、人件費など多くの経費がかかります。経営が悪化すると収益は下がってしまいます。
一方、個人事業主は貸し事務所や自宅でひとりで仕事をするケースが多く、人件費や固定費が抑えられます。フリーランスは自宅またはカフェやコワーキングスペースなどで仕事をする人が多いため、さらに費用は少なくて済みます。
自営業やフリーランスが申し込み時に記入する勤務先名は?
自営業者、個人事業主、フリーランスが「勤務先名」記入する場合、どのようにすればよいのでしょうか?
自営業者の勤務先名は「法人名」「屋号」または「個人名」
自営業者で法人化している場合は法人名を記入します。
- 〇〇株式会社
- リサイクルショップ 〇〇産業株式会社
- 〇〇写真店株式会社
- 弁護士法人 〇〇法律事務所
- 〇〇合資会社
など
屋号とは
屋号とは法人化していない場合に付ける名前のことです。
- △△カフェ
- △△美容室
- △△法律事務所
- 青果店△△
- △△屋
- オフィス△△
- △△産業
など
店舗や個人事務所を構えている人はこのような屋号を付けている方が多いのではないでしょうか。
屋号は開業時(または開業後)に税務署に提出して登録します。なお、個人事業主でもフリーランスでも開業届を出さなくても事業はできますが、開業届を提出することで青色申告ができますし、税制面でのメリットが多く受けられます。
また、開業届は屋号をつけずに個人名で提出することも可能です。
ただ、屋号を登録しておくと名刺やホームページ、チラシ・パンフレットなどに屋号を書くことができますし、屋号+個人名で銀行口座の開設なども可能になります。
自営業やフリーランスの勤務先電話番号はどうすればよい?
自営業の勤務先電話番号は、店舗や事務所がある場合はそこの電話番号を記入します。
また、自宅で仕事をしている場合は自宅の電話番号を記入します。当然、自宅の電話と同じ番号になりますが、それは問題ありません。
自宅に固定電話がない場合
フリーランスとして働く人の中には、自宅に固定電話がないというケースがあります。
仕事の受注ややり取りはメールが中心で、連絡は携帯電話(スマホ)でできるから……というのがその理由です。
また、レンタルオフィスやコワーキングスペース、カフェなど自宅以外で仕事をするフリーランスもいます。仕事をする上でもプライベートでも自宅に固定電話がなくても特に不便ではないのですが、キャッシングの審査では不利になると考えられます。
一般的に考えて「勤務先の電話番号が携帯電話」というのは不自然だからです。本人は自営業(個人事業主、フリーランス)としてきちんと働いていたとしても、一般社会の感覚では「携帯電話だけで仕事を請けているの?」「本当に仕事をしているの?」という目で見られてしまいます。
自営業者の勤務先情報記入方法
ではここで自営業の人がキャッシング等を申し込む際の「勤務先に関する情報」の記入方法を整理しておきましょう。
金融機関によって形式は異なりますが、下記を参考にしてみてください。
勤務先名 | ・法人名、屋号 ・屋号がない場合は「自営」、「個人名(自分の名前)」などを記入 |
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勤務先住所 | ・店舗や事務所がある場合はその住所 ・自宅で仕事をしている場合は自宅の住所 |
勤務先電話番号 | ・店舗や事務所がある場合はその電話番号 ・自宅で仕事をしている場合は自宅の電話番号 ・固定電話がない場合は携帯電話番号 |
雇用形態 | 自営、個人事業主、経営者・代表者などから選択 |
保険証種別 | 国民健康保険、社会保険など自分が持っている保険証の種類を記入 |
業種 | サービス業、小売り業、通信事業など自分の事業がどの業界なのかを選択 |
職種 | 事務、編集、ITサービス、経営など自分が実際に行っている仕事に近いものを選択 |
従業員数 | 従業員を雇用している場合は自分を含めた人数。個人でやっている場合は1人 |
入社年月 | 自営業を始めた年月 |
年収 | 前年度の税込み年収 |
給料日 | 特に給料日を決めていない場合は月末などキリのいい日を選択 |
業種や職種、保険証の種別などはいくつかの選択肢から選ぶようになっているところが多いようです。
自営業や個人事業主、フリーランスの場合はぴったり当てはまるものがないということもあります。その場合は近いものを選択するようにしましょう。
自営業者がキャッシングの審査で必要になる書類
自営業の人がキャッシングを申し込む際、必要になる書類を見てみましょう。
本人確認書類の提出は必須
キャッシングを申し込む人が自営業であっても会社員であっても、本人確認書類は必ず必要です。本人確認書類は金融機関によって多少異なりますが、以下のものを提出します。
- 運転免許証
- 個人番号カード
- パスポート
- 健康保険証(※)
- 住民基本台帳カード(顔写真付き)
など
なお、健康保険証だけでは本人確認書類としては認めていない金融機関もあります。その場合は住民票や印鑑証明書、公共料金(電気代、ガス代、水道代、NHK受信料、NTT電話代)の領収書の写しを一緒に提出します。(金融機関の指示に従ってください。)
収入を証明する書類
収入証明書類は金融機関から提出するように指示があった場合に必要です。
次のような書類を提出します。
- 確定申告書
- 納税証明書
- 住民税決定通知書
会社員で収入証明書類が必要な場合は給与明細書や源泉徴収票を提出しますが、自営業の場合は確定申告書がおすすめです。
法人名や屋号が入っているので、事業で収入を得ていることの証明になります。
自営業者のキャッシング~審査のポイントは?
消費者金融でも銀行カードローンでも審査の内容や基準は公開されていません。しかし、自営業者がキャッシングを申し込む場合でも、審査は会社員と同様に「返済能力があるかどうか」が中心になります。
特に重視されるのは「安定した収入があるかどうか」と「他社での借入状況」でしょう。
収入証明書で安定収入を審査
会社員の場合は本人の能力に関わらず「基本給」や「各種手当」が支給されます。そのため、毎月一定の収入を得ていることがわかります。
しかし、自営業者の場合は、たとえ法人化していても業績次第では収入が不安定になってしまいます。フリーランスの場合はさらに取引先から仕事をもらえないと収入が途絶える可能性があります。
少額の融資では収入証明書類は不要ですが、消費者金融では融資希望額が50万円以上または他社の借入と合わせて100万円以上になる場合は収入証明書類の提出を求めています。
これは消費者金融には「総量規制」があり、年収の3分の1以上は貸してはいけないということになっているからです。
収入証明書類を提供するように指示されたら、確定申告書などを提出しましょう。
自営業者の在籍確認
キャッシングの審査ではほぼすべてのケースで職場に在籍確認の電話がかかってきます。
自営業者の場合も同様に実施されますが、電話は申し込み時に勤務先として記入した電話番号にかかってきます。店舗や事務所がある場合はそこに、自宅を勤務先にしている場合は自宅に電話がかかってきます。
家族に内緒で借りる場合は在籍確認の電話に注意
在籍確認の電話はキャッシングを申し込んだら比較的早い段階でかかってくると言われています。ただ、それがいつになるのかはわかりません。
特に店舗を家族が手伝っている場合や、自宅で家族と同居している場合は、在籍確認の電話を家族が取らないように気をつけましょう。
在籍確認の電話自体は個人名でかかってきますし、キャッシングのことには触れません。しかし、家族が不審に思う可能性があります。
店舗や個人事務所、自宅などは自分で電話を取ることが可能なので、なるべく意識して自分で電話に出るようにしましょう。
自営業者でも信用情報機関への照会はある
キャッシングの審査で大きなポイントとなるのが「信用情報機関」の登録内容の照会です。ここで調べるのは、その人が現在と過去数年間にどこでどんな契約(キャッシングやローン、クレジットなど)をしているか、いくら借りて、いつ、どれくらい返済したか、現在の残高はどれくらいか……といった内容です。
また、返済の遅れの有無や金融事故(自己破産、任意整理など)の記録も調べています。日ごろから安易に借りないように、また借りたら契約通りに返済することが大切です。
銀行カードローンは事業資金には使えないので要注意
消費者金融は基本的に借りたお金の使い道は自由ですが、銀行カードローンは事業性資金には使えません。借りたお金をどう使うのか銀行側がチェックするわけではありませんが、そのように決められています。注意しましょう。