自営業・フリーランスのキャッシングは不利?審査のポイントは?
自営業やフリーランスの人はキャッシングは受けられない?審査は厳しいの?アルバイトやフリーターと個人事業主との違いや自営業者の人がキャッシングを利用する際のポイントをまとめました。
この記事の目次
自営業やフリーランス・個人事業主は正社員と違って、毎月固定給が出るわけではありません。仕事の業績次第で収入が上下するため不安定です。
このような自営業やフリーランスがキャッシングを申し込むと、審査は通りにくいのでしょうか? カードローンの審査のポイントについて解説します。
自営業やフリーランスはキャッシングの申し込みは可能?
そもそも自営業やフリーランス、個人事業主はキャッシングの申し込みができるのでしょうか?
キャッシングの申し込み条件とは
消費者金融と銀行カードローンの申し込み条件を見てみましょう。
消費者金融 | ・20歳以上 ・安定した定期収入があること ・返済能力があること |
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銀行カードローン | ・20歳以上 ・安定した定期収入があること ・返済能力があること ・配偶者に安定した定期収入があること(一部の銀行カードローン) |
両方とも「安定した定期収入があること」という項目がありますね。
安定した収入があればキャッシングは可能
消費者金融でも銀行カードローンでも、本人に安定した定期収入があり、返済能力があると認められればキャッシングを利用することができます。
自営業やフリーランスはキャッシングの審査は不利?
キャッシングの申し込み条件である「安定した定期収入」を本当に得ているのかどうかが、重要なポイントです。そこでまず「自営業」と「フリーランス」「個人事業主」の違いを整理してみましょう。
自営業とフリーランスの違い
会社に雇われずに働くフリーランスですが、自営業、個人事業主との違いとは何でしょうか?
現実にはそれぞれが混在している場合がありますし、あいまいに使われることもありますが、大きく分けると次のようになります。
自営業 | 法人化することもあり、会社経営者を含む |
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個人事業主 | 法人化せずに事業を行う |
フリーランス | 企業と雇用契約を結ばずに、単発の仕事を契約を結んで請け負う |
自営業とフリーランスの社会的な信用度の違い
法人化(〇〇株式会社など)せずに事業を行っている場合、自営業とも言えますし、個人事業主とも言えます。ただ、法人化した場合は「自営業」と名乗り、経営者となります。また、法人化している場合とそうでない場合で、確定申告などの税務処理が異なります。
一般的には法人化している方が社会の信用度は高いと判断されます。
自営業と個人事業主の違いは、お店を経営しているか個人活動か?
また、店舗を構えている場合は法人化していなくても、自営業と名乗るケースが多いようです。例えば花屋さんやラーメン屋さん、美容院などは法人化していない場合がありますが、個人事業主とは呼ばずに自営業と呼びます。
人を雇っているかどうかという点で見ても、自営業は人を雇うことはありますが、個人事業主は誰も雇わずに自分一人で仕事をこなすケースが多いという違いがあります。
個人事業主とフリーランスの違いは「開業届」の有無
一方、個人事業主とフリーランスはどちらも法人化をしていませんが、個人事業主は税務署に「開業届け」を提出します。
フリーランスは企業や団体と雇用契約はありませんが、仕事を請け負う立場です。自分で事業を起こすというイメージは個人事業主よりも少ないと言えるでしょう。
フリーランスは信用度がやや低い?
最近はプログラマーやイラストレーター、Webデザイナー、ライター、翻訳業などさまざまな分野でフリーランスとして働く人が増えています。
フリーランスと名乗っていても、税務署に「開業届け」を提出している「実質個人事業主」という人もたくさんいます。また、フリーランスにはなったものの、それだけでは食べていけずにアルバイトをしている人もいます。
こういったことから、社会的信用度の順位としては次のようになります。
- 自営業者
- 個人事業主
- フリーランス
キャッシングで自営業やフリーランスは審査でマイナスになる?
キャッシングの申し込み時の「職業」は、次の中から選ぶようになっています。
- 正社員
- 契約社員
- 派遣社員
- アルバイト・パート
- 個人事業主
- 法人経営者
(項目は金融機関によって多少異なります。)
自営業、個人事業主、フリーランスの人がキャッシングを申し込んだ場合、「個人事業主」を選択します。ただし、自営業でも法人化している場合は「法人経営者」を選択します。
自営業やフリーランスが審査に不利だとは限らない
世の中には自営業としてお店(上に書いたような花屋さんやラーメン屋さんなど)をやったり、個人で社労士事務所を持ち仕事をしている人などが多くいます。そのため、「自営業」というだけで審査に不利になるということはありません。
また、申し込みの段階ではその人が自営業なのかフリーランスなのかはわかりません。
ただ、正社員のように安定した収入を定期的に得ているのかどうかは判断できません。そこで収入証明書類の提出を求められる場合があります。
フリーランスでアルバイトをしている場合
なお、フリーランスとしてどこにも勤めずに働いている場合は「個人事業主」を選択しますが、アルバイトをしている場合は「アルバイト・パート」を選択する方が「定期収入を得ている」と判断されるため、審査は通りやすくなるでしょう。
水商売の場合はアルバイトぐらいにしておくことをおすすめします。
自営業やフリーランスがキャッシングするときの審査内容と必要書類
では、具体的に自営業やフリーランスの人がキャッシングを申し込んだときの審査内容と必要書類を見ていきましょう。
自営業・フリーランスの人のキャッシングの申し込みと審査の過程
自営業・フリーランスだからと言って審査の過程に違いはありません。
下記のような流れで進められます。
- 申し込みをする
↓ - 仮審査が始まる
↓ - 本人確認書類を送付する
↓ - 在籍確認の電話がかかる
↓ - 契約をする
↓ - カード発行または振り込みで融資を受ける
キャッシングの審査で重要なのは信用度と返済能力
キャッシングの審査では会社員であっても自営業・フリーランスであっても、その人の信用度と返済能力が重要になります。
貸したはいいけれど返してもらえないと困りますから。
そこで審査では信用情報機関の登録内容を調べます。これは次のような項目が登録されています。
本人を特定する情報 | 氏名、性別、生年月日、電話番号、運転免許証の番号など |
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住居に関する情報 | 住所、郵便番号、住居の形態{(持家・賃貸、社宅など)、(一戸建て・マンション・アパート、社宅、寮など)}、居住年数、家賃・住宅ローンの自己負担額など |
仕事に関する情報 | 勤務先名、勤務先住所、電話番号など |
他社での借入に関する情報 | 現在または過去数年間に借りていた会社の名前、契約内容、契約金額、借入金と残高、返済状況など |
金融事故に関する情報 | 債務整理(自己破産や任意整理、個人再生など)の有無 |
この中でも特に重要なのが他社の借入状況と金融事故に関する情報です。
特に自営業やフリーランスは収入に波がありがちです。そのため、ちょっとお金に困ったときに他社で借りるということがあります。
1社で少額ならそれほど問題にはなりませんが、複数で借りていて残高が多い場合や返済が遅れている場合は審査にマイナスの影響を与えます。
消費者金融は年収の3分の1までしか借りられない
なお、消費者金融では「総量規制」があるため、年収の3分の1までしか借りられません。これは他社の消費者金融やクレジットカードのキャッシング残高を含めた額なので、他社ですでに年収の3分の1を借りている場合は新規の融資は難しいと言えます。
自営業・フリーランスのキャッシング申し込み時の必要書類
自営業やフリーランスの人がキャッシングを申し込むときの必要書類は、一般の会社員と大きな違いはありません。
必要書類その① 本人確認書類
まず本人確認書類が必要です。
- 運転免許証
- パスポート
- 個人番号カード(マイナンバーカード)
- 健康保険証(※)
など
(※:金融機関によっては健康保険証は顔写真がないため、住民票や印鑑証明書、公共料金(電気、ガス、水道、NTT、NHKなど)の領収書の写しを一緒に提出するように求めているところがあります。)
必要書類その② 収入証明書類
場合によっては収入を証明する書類が必要になります。
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 税務通知書の写し
- 所得証明書
- 確定申告書の写し
なお、自営業・フリーランスは源泉徴収票や給与明細書がないので、確定申告書の写しや所得証明書の写しなどを提出します。
必要書類その③
金融機関によっては自分で事業をしていることを証明するために「営業状況確認」の書類を提出する場合があります。
例えばSMBCモビットでは「営業状況確認のお願い」という書類があり、個人事業主がキャッシングを申し込む際には、来年度の事業計画や収支計画、資金計画などを記入して提出するように求めています。(必要な場合のみです)
自営業・フリーランスのキャッシング審査で在籍確認はどうなる?
キャッシングの審査で一番心配されるのが「職場への在籍確認」です。
これは勤務先で本当に働いているかどうか=安定した収入を得ているかどうかを確認するために実施されます。
一般の会社員やアルバイトの場合は、勤務先に個人名で電話があるというだけで「変に思われないだろうか」と気をもんでしまいます。
しかし、自営業・フリーランスの場合はその心配はありません。
自営業・フリーランスの在籍確認の電話はどこにかかる?
在籍確認の電話は、申し込み時の勤務先電話番号を記入したところにかかってきます。
お店を持っている人は店の電話番号、個人事務所を持っている人は事務所の電話番号を記入しますが、中には自宅で仕事をしている人も多いのではないでしょうか。
特にフリーランスは事務所を借りずに自宅で仕事を請け負っています。その場合は勤務先の電話番号は自宅の電話番号を記入します。どうしょうもなければ自分の携帯電話番号を登録するしかないでしょう。
正社員や派遣社員よりも電話連絡の危険性は低い
このように自営業・個人事業主・フリーランスの人は在籍確認の電話を自分で受けることができますし、土日・祝日でも確実に電話を取ることができるというメリットがあります。
一般の会社員やパート・アルバイトの人は土日・祝日にお金を借りたくても職場が休みで在籍確認が取れないと悩むことが多いのですが、自営業・フリーランスの場合はその点は安心です。
自営業・フリーランスがキャッシングする際の注意点
ここまででご説明してきたように自営業・個人事業主・フリーランスだからと言ってキャッシングが利用できないということはありません。
ただし、次の点に注意しましょう。
キャッシングは事業用資金には利用できない?
消費者金融はキャッシングの使い道は「自由」となっていますが、銀行カードローンでは多くのところが「事業性資金への使用は禁止」となっています。
実際には借りたお金を何に使ったかまで追跡調査することはありませんが、基本的に銀行カードローンでは「事業性資金には利用できない」ということを理解しておきましょう。
自営業者はカードローンで安易に借り過ぎないこと
キャッシングは審査に通ったら、融資枠の中で何度でも借りたり返したりができます。
手元のお金に困ったときはとても便利なのですが、自営業やフリーランスは収入が不安定です。今は好調でも数ヶ月先にはどうなっているかわからないというデメリットがあります。そのため、安易に借りて返済できないと困ります。
返済の遅れは信用情報機関に登録されるので、その後の融資の審査に影響を与えます。さらに追加で他社で借りるなど多重債務にならないように気をつけましょう。