ビジネスローンのデメリットは?事業融資との違いについても解説
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ビジネスローンとは?
ビジネスローンとは、法人代表者や個人事業主に対して融資される事業向け資金に特化したローンサービスのことをいいます。
多くの事業者は、自らの事業を運営していくための運転資金やつなぎ資金などのように、事業に対する融資を希望します。
そのようなニーズに応えるのが「事業融資」であり、事業融資の1つが消費者金融の提供しているビジネスローンというわけです。
「事業融資」よりも手軽に借りられる
事業用に融資には銀行による融資や、日本政策金融公庫の融資などがありますが、ビジネスローンはそれらの融資とは少し異なります。
銀行などによる事業融資は利用者に対して「申し込みが面倒」「審査が厳しそう」といったイメージを与えてしまい、実際に融資を利用しないケースがあるといわれています。
一方、ビジネスローンはその言葉の雰囲気から、気軽に借りられそうなイメージがあります。こういった言葉を使うことにより、利用者がより利用しやすいと感じられるようになっているのです。
実際、ビジネスローンは、銀行などの事業融資と比較すると手軽に利用しやすいといえます。
ビジネスローンを取り扱うのは消費者金融だけではない
ビジネスローンを取り扱っているのは、消費者金融だけではありません。銀行でも事業融資ではなく「ビジネスローン」を名前の付いた事業者向けのローンサービスが提供されています。
これらのサービスの中身はすべて「事業融資」であり、審査も一般のカードローンよりは厳しく設定されていると考えておくべきでしょう。
ビジネスローンとカードローンはどう違うのか
一般的によく知られているローンサービスに「カードローン」というものがあります。また、ビジネスローンのなかでも「ビジネスカードローン」という名前が付いたものもあり、両者がどう違うのかよくわからない方もいらっしゃるでしょう。
では、ビジネスローンとカードローンはどのように違うのでしょうか?
ビジネスローンとカードローンはどちらもキャッシングサービスですが、大きく異なるのは「借入限度額」「金利」「融資目的」「総量規制の対象かどうか」という4点が異なります。
まず、ビジネスローンの借入限度額は50万円程度から1億円を超えるケースもあります。消費者金融系カードローンで最大800万円程度、銀行系カードローンで最大1000万円程度であることを考えると、その違いは明白です。
また、金利についてはビジネスローンもカードローンも上限金利は18.0%に設定されています。ですが、下限金利はカードローンが6.0%程度であるのに対し、ビジネスローンは1.8%程度のものまであります。
さらに、一般的なカードローンは融資を事業用に使用することが禁じられています。一方で、ビジネスローンは融資を事業以外に使用することが禁じられています。
このように、同じキャッシングサービスでビジネスローンとカードローンには大きな違いがあるのです。
ビジネスローンを選ぶべきケース
事業用の融資で大きな金額を借り入れる必要がある場合は、ビジネスローンを利用するべきでしょう。
ですが、ビジネスローンを利用するためには、2年以上の事業歴と事業黒字を出していること、事業代表者の信用情報がブラックではないことなどの条件があります。
これらをクリアできる場合は、ビジネスローン一択となります。
ビジネスローンを利用するメリットとデメリット
消費者金融のビジネスローンには特有のメリットとデメリットがあります。詳しく解説しますので、利用する前にしっかり理解しておきましょう。
ビジネスローンのメリット
消費者金融のビジネスローンを利用するメリットは以下の通りです。
- 即日で融資を受けることができる
- 担保や保証人が必要ない
- 他の事業融資より審査に通過するまでの時間が早い
- 融資枠さえあればいつでも借り入れができる
- 大型融資を受けられる
- 返済期間にゆとりがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
即日で融資を受けることができる
消費者金融のビジネスローンは、最短で申し込みの当日に融資を受けられるというメリットがあります。
事業用融資を受けたい理由にはさまざまなものがありますが、なかにはできるだけ早く融資を受ける必要に迫られるケースがあります。
これは会社経営や事業運営をしていると、誰でも経験しうることでしょう。
ただ、日本金融公庫での融資には申し込みから審査完了までおよそ1ヶ月の時間を要しますし、銀行の融資は短くでも2週間程度の時間が掛かってしまいます。
このような場合、即日融資を受けられる可能性がある消費者金融のビジネスローンの利用がおすすめとなります。
消費者金融ではスコアリングシステムを採用しているケースが多く、審査スピードが格段に速いため、即日融資を受けることが可能なのです。
担保や保証人が必要ない
消費者金融のビジネスローンの多くが、担保・保証人が不要であるということも大きなメリットといえます。
そのため、他の銀行系融資で担保を取られているケースや、保証人を探せないようなケースでも、融資を受けることが可能です。
ただし、個人事業主は保証人が不要であるのに対して、法人でビジネスローンを受けたい場合は、法人経営者の連帯保証人が必要になりますので注意しましょう。
融資枠さえあればいつでも借入ができる
ローンカードを発行するビジネスローンを利用した場合、融資枠さえ確保しておけばいつでも借入ができるというのも消費者金融のビジネスローンのメリットです。
一般的に事業融資の場合、一度の全額が融資されますが、消費者金融のビジネスローンでは「借入限度額」の枠だけが設定され、全額が振り込まれることはありません。
そのため、限度額に余裕がある場合はコンビニなどでいつでも借入を行なうことができます。
また、消費者金融のビジネスローンは、借りない限り利息や手数料が発生することもありません。そのため、利用するつもりがなくても、万が一のときに備えて契約しておく、といった方法でリスクを避けることもできます。
このように使い勝手がいいというのも、消費者金融のビジネスローンの魅力となっています。
大型融資を受けられる
消費者金融のビジネスローンでは、大型融資を受けられるというのもメリットといえるでしょう。
一部のビジネスローンでは最大で1000万円程度の融資を受けることができますし、不動産担保などの条件が付けば最大で3億円の融資を受けられるもののあります。
もちろん、借入限度額を必ず借りられる保証はありませんが、このような大きな金額を融資してもらうことができるので、事業資金を調達しやすくなっているのです。
返済期間にゆとりがある
消費者金融のビジネスローンでは、返済期間にゆとりを持った商品があるというのもメリットとなるでしょう。
一部の商品では5年から10年の返済期間が設定されているので、無理なく返済できるプランを立てやすいといえます。
また、事業状況がいい場合は、繰り上げ返済をすることで利息を抑えることも可能です。
返済に関して融通がききやすいというのも、消費者金融のビジネスローンの使いやすさにつながっているといえるでしょう。
ビジネスローンのデメリット
一方で、消費者金融のビジネスローンには以下のデメリットがあります。
- 金利がかなり高い
- 提供している金融機関が多くない
- 事業資金にしか使えない
- 契約時には多くの書類を準備しなければならない
- 借入の条件が設定されていることも
それぞれ詳しく見ていきましょう。
金利がかなり高い
消費者金融のビジネスローンは、上限金利がかなり高く設定されているというデメリットがあります。
この点は低金利を売りにしている日本政策金融公庫や銀行系ビジネスローンには劣ってしまいます。
借入の金額が大きいほど、また返済期間が延びるほど、金利の高さが後々響いてくることになりますので、利用する前には慎重に検討する必要があります。
借入に掛かる金利を抑えたい場合は、時間が掛かっても公的融資や銀行融資を選択したほうがいいでしょう。
提供している金融機関が多くない
ビジネスローンを提供している消費者金融が少ないというのも、デメリットといえます。
各消費者金融では、ビジネスローンよりも個人向けのカードローンサービスの方が充実している印象を受けます。
ただ、銀行系のビジネスローンを比較すると、サービスの数はかなり多いといえます。
事業資金にしか使えない
ビジネスローンは事業用融資であり、それ以外の用途で使用できないというのもデメリットになるかもしれません。
申し込み時には、融資の用途が事業用であることを証明する書類の提出が求められます。それ以外のプライベートな用途に融資を使用することは固く禁じられています。
当たり前のことではありますが、カードローンのように広い用途で使用できないことは覚えておきましょう。
契約時には多くの書類を準備しなければならない
ビジネスローンは事業融資となるため、それを証明するための書類を多く準備する必要があります。
また、ビジネスローンを契約する際、収入印紙代などのコストが発生することがあります。
このような手間が掛かったり、費用が発生したりするというのは、利用者にとって負担になることがあります。
借入の条件が設定されていることも
ビジネスローンならではの借入条件が設定されているケースがあるというのもデメリットといえます。
ほとんどのビジネスローンでは、最低2期分の決算書の提出が求められます。そのため、創業して間もない事業者にとって、消費者金融のビジネスローンはあまり向かないといえます。
また、赤字決算となっている場合、融資を渋られるケースもあるなど、ある程度順調に事業が進んでいることが融資の条件となることがあります。
ただし、決算書の提出が必要ないビジネスローンも少ないですが存在しています。金利が高くなることが予想されますが、どうしても融資が必要な場合は利用を検討してみてはいかがでしょうか?
消費者金融や銀行などのビジネスローンの選び方
さまざまなビジネスローンサービスが提供されていますが、自分に合ったローンサービスをどのように選べばいいのかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、消費者金融ビジネスローンや銀行などの低金利ビジネスローンの選び方について解説したいと思います。
金利で選ぶ
ビジネスローンを選ぶ際に注目すべきポイントの1つが金利です。
融資額が大きくなりやすいビジネスローンでは、少しの金利の差によって返済額が大きく変動するためです。
返済に掛かる利息を抑えたいのであれば、公的融資や銀行融資を選択する必要があります。ただし、これらの融資を受ける場合、申し込みから融資が実行されるまでに時間が掛かりますので、その点を踏まえたうえで融資を申し込むようにしましょう。
融資までの時間で選ぶ
融資までに掛かる時間もビジネスローンを選ぶうえでは重要でしょう。
先述したように、公的融資や銀行融資の場合、2週間から1ヶ月程度の時間が掛かってしまうことがほとんどです。
できるだけ早く融資を受けたいというのであれば、最短即日融資も可能な消費者金融のビジネスローンを選択するべきでしょう。
ただし、金利は高くなってしまいますので、バランスを考えどの手段が最適なのかしっかり検討するようにしてください。
必要書類で選ぶ
もし融資を急いでいるということであれば、提出が必要な書類の数についても確認していきましょう。
ビジネスローンは事業内容も含めて審査が行われますので、一般のカードローンと比較して揃える書類は多くなります。
ただ、ローンサービスによって必要な書類は異なります。必要書類が少なく簡単に揃えられるローンサービスならその分融資までの時間も短くなるはずです。
限度額の大きさで選ぶ
事業に必要な資金に合わせて、限度額の大きさでビジネスローンを選択することも大切なポイントです。
限度額はローンサービスによって異なりますので、必要な資金に合わせてローンサービスを適切に選択する必要があります。
ただし、限度額が大きいからといって、必ずその金額が融資されるというわけではありません。審査の内容や返済能力、利用回数などによって融資額は異なるためです。
そのため、大きい金額を借りたい場合は注意が必要でしょう。
返済の利便性で選ぶ
融資を受けた後の返済がしやすいかどうかでビジネスローンを選択するのも1つです。
ビジネスローンのなかには、コンビニで返済できるものもあれば、ATMや口座など返済方法が指定されているケースもあります。
返済するのに手間が掛かるとそれだけ精神的な負担になることもありますので、必ずチェックしておきましょう。
消費者金融のビジネスローンを利用する際の注意点
消費者金融のビジネスローンを利用する際の注意点について解説します。いずれも重要なことですので、頭に入れておきましょう。
審査にギリギリ通過するような場合は上限金利が適用される
ビジネスローンに申し込んだとして、審査にギリギリ通過するような結果だった場合は、指定されている上限金利が適用されるケースが多いので注意しましょう。
審査の結果、事業が安定し返済の目途が付きやすい場合は、金利が低く設定されることが多くなります。
ですが、業績が安定していない場合、貸し倒れのリスクが高くなるため、金利も高くなります。
消費者金融のビジネスローンでは上限金利と下限金利が表示されていますが、下限金利で借入ができるのはほんの一握りの事業者です。
たいていの場合は、金利が高くなると想定しておいた方がいいでしょう。
ビジネスローンの借り換えはできない
原則的にビジネスローンは借り換えができないということも覚えておきましょう。
金利の高い消費者金融のビジネスローンで融資を受けた後、金利の低い銀行系ビジネスローンの借り換えるのは「資金使途違反」という違反行為に当たります。
発覚すれば信用に関わり、今後融資を受けることが難しくなってしまいます。最悪の場合、即時全額返済を要求されることもあるので要注意です。
返済期間が必要以上に長引かないようにする
ビジネスローンを利用する際は、返済期間が長引かないようにしましょう。
全体的に金利が高く設定されているため、返済に時間が掛かるとその分返済額が大きくなってしまうからです。
消費者金融のビジネスローンは短期利用に向いている商品ですので、借りすぎには十分注意しましょう。
必要書類は事前に準備しておく
ビジネスローンを利用する場合は、必要書類の準備を事前に済ませておくことが大切です。
というのも、書類を集めるには時間が掛かるものですし、申し込みから書類提出まで期間が開いてしまうと、融資を受ける気がないと判断され審査に通らなくなってしまうからです。
利用するローンサービスの提出書類を調べて、速やかに提出するようにしましょう。
消費者金融のビジネスローンの申し込みから融資までの流れ
最後に、消費者金融のビジネスローンの申し込みから融資までの流れについて紹介します。
一般的な流れは以下の通りです。
- 各サービスの申し込み方法に従い借入・審査の申し込みを行なう
- 必要書類を提出する
- 審査を受ける
- 審査結果の回答を受ける
- 審査に通過したら契約をして融資が実行される
ビジネスローンの申し込みに必要な書類
消費者金融のビジネスローンに申し込む場合には、一般的な以下のような書類を提出する必要があります。
- 本人確認書類
- 事業関係書類
本人確認書類としては、運転免許証や健康保険証、パスポート、マイナンバーカードなどの提出が必要です。
基本的には顔写真の付いた本人確認書類が必要になると考えておきましょう。
それ以外の書類では、水道・ガス・電気などの領収書など、補助書類の提出を求められることがあり、手間が掛かるため注意が必要です。
事業関係書類は個人事業主と法人で異なるケースが多くなります。
個人事業主なら確定申告書や所得証明書、事業計画書、収支計画書の提出が求められます。法人の場合は、登記事項証明書や2期分の決算書を準備する必要があります。
また、別途印鑑証明の提出が必要になる場合もあります。
いずれの場合も、書類を提出しないと審査ができないため、必要になる書類はあらかじめ準備しておくことをおすすめします。
ビジネスローンの審査に通過するためのポイント
ビジネスローンの審査に通過するためには、以下のポイントがあります。
- 提出書類の内容
- 事業の健全性
適当に作成された事業書類を提出したり、事業運営に問題があると判断されたりする場合は、審査に落ちる可能性が高くなります。
逆に、事業の健全性が認められる場合、書類内容に不利な項目があっても審査に通過できる可能性があります。
また、大切なことは虚偽の申告をしないことです。発覚した場合は審査が打ち切られ、融資を受けられなくなりますので、誠実に回答するようにしましょう。
最速で融資を受けたいならインターネットで申し込む
できるだけ早く融資を受けたい場合は、インターネット経由で申し込むことが重要です。
消費者金融のビジネスローンは、電話申し込みや相談窓口での申し込み、インターネットでの申し込みに対応しています。
なかでもインターネット申し込みなら、いつでも好きなときに申し込みを済ませることができます。
夜のうちに申し込みをしておくと、翌日営業が開始されたらすぐに審査が受けられる可能性が高くなるので、早い場合は当日中に融資を受けられるかもしれません。
融資のスピードが重要な場合は、必ずインターネット経由で申し込むようにしてください。
ビジネスローンをうまく活用しましょう!
今回はビジネスローンについて解説しました。
融資までのスピードが速い消費者金融のビジネスローンは、緊急的に資金が必要な場合に便利なローンサービスです。うまく活用すれば、資金繰りを楽にすることができるでしょう。
さまざまなサービスが提供されていますので、事業やニーズに合わせた商品を選ぶようにしましょう。