転職はキャッシングの審査に影響アリ?辞める前に申し込む方が安心かも!
転職して勤続年数がゼロになると、新規のカードローン審査に通りにくくなります。そのため申し込むなら会社を辞める前がいいでしょう。転職前にキャッシング審査を受けて、借入枠だけもらっておく…という方法もありです。
キャッシングは「20歳以上で安定した収入がある人」ならば、誰でも申し込みが可能です。
「安定した収入がある」ということは、どこかに勤めている、または自営業などということですが、転職をしたばかりで勤続年数が短い場合はキャッシングの審査に不利になるのでしょうか? キャッシングと転職の関係をくわしくご説明します。
キャッシングの審査に転職が与える影響は?
キャッシングの審査の内容や審査基準は公開されていないため、具体的な審査内容はわかりません。また、金融機関によっても審査基準は多少異なります。
転職そのものがキャッシングの審査に何か影響を与えるのでしょうか?
勤務先に関する審査内容
具体的な審査内容はわかりませんが、申し込み時に記入する内容は審査に必要だから聞いているのだと考えられます。勤務先に関しての質問事項は次の通りです。
勤務先 | 勤務先名、勤務先住所、勤務先電話番号 |
---|---|
仕事内容 | 業種(勤務先の会社が主に行っている業務内容。サービス業や製造業など)、職種(自分がやっている仕事。事務職、営業など) |
雇用形態 | 正社員、派遣社員、契約社員、パート・アルバイト、自営業 |
給与 | 固定給、一部歩合制、完全歩合制 |
入社年月 | 入社した年月 |
年収 | 前年の税込み年収 |
審査は勤続年数のチェックだけではない
このようにキャッシングの審査で勤務先に関しては、雇用形態や給与の形態なども書くようになっています。
一般的に収入が安定しているのは
-
正社員>契約社員・派遣社員>パート・アルバイト
の順だと考えられます。
パート・アルバイトは月給ではなく時間給で計算される上に勤務時間が正社員よりも少なくなります。
一方、派遣社員は時間給や日給が高く、月収は正社員よりも多くなるケースがあります。ただ、勤務先の業績が悪化すると「派遣切り」と言って派遣契約が打ち切られてしまいます。そのため、正社員よりも収入は不安定な立場だと言えます。
完全歩合給の営業職も収入は不安定
営業職でフルコミッション(完全歩合給)の場合は、人によっては高額の収入を得られますが、営業成績が不振になると収入は減少してしまいます。
そのため、収入の不安定さに関しては自営業とよく似ています。
このような職種や給与形態の場合は、収入を証明する書類の提出を求められることがあります。また、審査にも何らかの影響を与える可能性があります。
キャッシングが可能かどうかは勤続年数だけでは決まらない
勤務先に関してだけを見ても、このようにいくつもの要素が審査に影響を与えます。
そのため、「転職したばかりで勤続年数が短い」というだけで審査に落ちるという可能性は低いと言えるでしょう。ただし、まったく影響がないかと言うと、そんなことはありません。これらの内容を総合的に見ているのです。
勤続年数は信用度を測る目安になる?
申し込み時には入社年月を記入するようになっています。これは勤続年数を知るためですが、やはり長く勤めている人はそれだけ社会的な信用度は高いと言えます。
ただ、年数だけでなく年齢とのバランスも重要だと言えるでしょう。例えば40代、50代の人で勤続年数が短い場合は、次のような憶測をされる可能性があります。
- リストラの対象になったのではないか?=仕事ができない人と思われているのではないか?
- 職場で何かトラブルを起こしたのではないか?
- 病気などが理由で前職を辞めたのではないか?
キャッシングの審査で本人にそこまで聞くことはありませんが、年齢が高いのに転職して勤続年数が短い場合は何らかの理由があったのだろうと思われる可能性があります。
さらに「転職先でも続かないのではないか?=収入が安定しないのではないか?」と思われて、審査にマイナスの影響を与えることが考えられます。
若い人の転職はやむを得ない!?
若い人、特に20代の場合は勤続年数はそれほど長くはありません。新卒で就職したとしても勤続年数は数年です。ただし、学校を卒業して何年か経っていると思われる人で勤続年数が1年未満など短い場合は、「仕事が長続きしない人なのかも?」と思われる可能性があります。
もちろん転職はしてもいいのですが、ある程度の勤続年数がある方が信用度は高くなると言えるでしょう。
キャッシングの審査は転職だけが問題ではない
キャッシングの審査は勤務先に関する情報、つまり年収や勤続年数も影響しますが、それだけで決まるわけではありません。それ以外の項目も審査されます。
勤務先以外の審査項目
キャッシングの審査で大きな影響を与えるのは、信用情報機関の登録内容です。
信用情報機関には、過去数年間と現在の金融商品(ローンやクレジット、キャッシング)の利用状況に関する情報が登録されています。
信用情報機関とは
信用情報機関には、次の3つがあります。
信用情報機関 | 加盟している金融機関 |
---|---|
JICC | 消費者金融、信販会社など |
CIC | クレジットカード会社など |
全国銀行協会 | 銀行 |
それぞれの金融機関では審査の過程でこれらの信用情報機関にその人の登録内容を照会して調べています。
信用情報機関への照会でわかること
信用情報機関では、次のような内容が登録されています。
- 本人を特定するための情報……氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、運転免許証の番号、勤務先名など
- ローンなどの契約に関する情報……ローンやキャッシングなどを契約している金融機関名、契約日、契約金額(融資可能額)など
- 利用に関する情報……お金を借りた金融機関、借りた金額など
- 返済に関する情報……返済した日、返済額、残高、返済遅延の記録など
- 完済に関する情報……契約していたローン・キャッシングを完済した日
- 金融事故に関する情報……債務整理(自己破産、任意整理、個人再生など)の有無
これらが一定期間、登録されています。
そのため、申し込み時に他社借入件数や金額を少なく書いても、すぐにバレてしまいます。
キャッシングの審査で重要なのはこの3点
キャッシングの審査はその人に返済能力があるかどうかを調べるのが目的です。
「いくらまでなら貸しても返済できるか」という点がポイントになります。たとえ勤続年数が長くて、年収が高い人でも、すでに他社で数百万円も借りていたり、何度も返済が遅れていたりする場合は、「融資はできない」と判断されます。
一方、年収が低い人や勤続年数が短い人でも、他社での借入が0または少なく、しかもきちんと返済されていれば「〇〇万円までなら貸しても大丈夫」と判断されます。
つまり、キャッシングの審査は次の3点が重要になります。
- 年収
- 他社の借入状況
- 信用情報機関の登録内容
転職は年収を左右する要素のひとつ
「転職がキャッシングの審査に不利になるのでは?」と考えられる理由のひとつが、「年収が少ないのではないか?」と思われる点です。
まだまだ日本の社会は年功序列のところがあり、ひとつの会社に長く勤めるほど年収があがる傾向があります。そのため、「転職したばかり(勤続年数が短い)=年収が低い」と思われる可能性があるのです。
ただし、決して勤続年数だけで審査結果が出るわけではないので、ご安心ください。
キャッシングは転職する前に申し込む方が審査で有利?
では、転職してすぐにキャッシングを申し込んだらどうなるでしょうか? 審査にはマイナスの影響を与えてしまうのでしょうか?
これは人によって違うため、正解はありません。ただ、どうせ申し込むなら転職後よりも転職前の方が安心だと言えるでしょう。
転職前の方が安心という理由
転職後よりも転職前にキャッシングを申し込んだ方が安心という理由は、以下のようにいくつか考えられます。
- 少しでも勤続年数が長い方が有利
- 転職直後は在籍確認の電話が不安
- 収入証明書類の提出が必要な場合、現在の勤務先と違うと転職がバレる
- 失業期間があると手元のお金が減るため退職前に借りる方が安心
では、ひとつずつ見ていきましょう。
少しでも勤続年数が長い方が有利
審査ではこれまでご説明してきた通り、勤続年数だけを見て評価することはありません。
ただ、やはり勤続年数が短いよりは長い方がお金を借りる場合に有利です。
長く勤めているとそれだけ給料が多いとみなされますし、今後も安定した収入を得られると判断されます。ところが年齢の割に勤続年数が短いと、「どこに行っても長続きしないのではないか」と思われる可能性があります。
それが直接審査に影響を与えなくても、融資額を下げるなどマイナス評価につながる可能性があります。
転職直後は在籍確認の電話が不安
キャッシングの審査では、現在勤めている会社に実際に電話をかけて在籍確認を行います。電話自体は個人名でかけてきますし、会話の内容もキャッシングの審査ということは一切触れません。
その点は心配ないのですが、転職して間がない人に外部から電話があると不審に思われます。
と同僚から追及されることも考えられます。
また、就職後すぐの場合は、同僚にあなたの名前が知られていないということもあります。その結果、電話に出た人が「〇〇という者はうちにはおりませんが……」と答えてしまう可能性があります。
一方、転職前の職場ならば同僚があなたの名前をよく知っていますし、何の電話か聞かれてもうまく言い逃れをすることができます。
ただし、前職で長期休業をしていると在籍確認が不利になることがあります。例えば電話に出た職場の人が
などと答えると、「安定した収入を得ていないのではないか」と判断されるからです。
在籍確認の電話は必ず実施されるので、そのタイミングをよく考えて申し込むようにしましょう。
収入証明書類の提出が必要な場合に転職がバレる
すべてのケースではありませんが、キャッシングの申し込み時に収入証明書類を提出するように指示される場合があります。
例えば消費者金融では50万円以上の融資を希望する場合、または他社の借入額と新規の融資希望額の合計が100万円以上になる場合は収入証明書類の提出が必要になります。
収入証明書類は、自営業以外の場合は直近2ヶ月間の給与明細書または源泉徴収票の写しを提出します。
転職してすぐにキャッシングを申し込むと、勤務先名は転職後の会社の名前ですが、提出する給与明細書や源泉徴収票は前職のものになってしまいます。すると「転職したばかりなんだ」とバレてしまいます。
それが直接審査にどう影響するかはわかりませんが、若干不利になると考えていいでしょう。
失業期間があると手元のお金が減るため退職前に借りる方が安心
前の会社を辞めてすぐに転職先が見つかるといいのですが、失業期間が長いと手元のお金が減っていきます。十分な貯金があると安心できますが、キャッシングを検討しているということは、それだけお金に困っているという証しです。
しかも、転職したことが審査に影響を与えて融資額が下げられてしまうと、さらに財布は厳しくなるでしょう。
すぐにお金が必要ではなくても退職したときのことを考えて、転職する前、つまり会社を辞める前にキャッシングを申し込んでおくと安心です。すぐに借りなくても融資枠を取っておくといいでしょう。