仕事をしていないとキャッシングできない?年収や勤続年数は関係ある?
この記事の目次
キャッシングの審査では仕事をしていることが絶対条件
今回のテーマにもある通り、キャッシングの審査では本人が仕事を持ち、安定した収入を得ていることが前提になっています。では、その仕事についてさらに細かく見ていきましょう。
キャッシングの審査に通る仕事~職種は何でもいい?
キャッシングの申し込み時には勤務先に関していろいろな質問項目があります。その中で業種や職種を聞かれます。まず、業種と職種の違いを理解しておきましょう。
業種と職種の違い
業種とは自分の勤務先がどのジャンルなのかを答えます。例えば建設業、製造業、小売業、運輸・物流業・医療・福祉機関、学校・教育機関、官公庁・各種団体、広告・デザイン業、印刷業、出版業、放送業、金融業、その他などです。
一方、職種は自分がやっている仕事の種類について答えます。例えば、営業、接客、事務、運転手・乗務員、芸術・デザイン、公務員、医療関係、サービス関係、経営などです。
勤め先は〇〇建設という場合、業種は建設業になりますが、事務の仕事をしている人は職種は事務と記入します。
業種や職種でキャッシングの審査結果は変わる?
これらの業種や職種でキャッシングの審査結果が大きく変わるということはありません。
ただ、公務員の場合は中小企業勤務よりも審査では有利(評価が高い)と言われています。しかし、それだけで審査結果が決まるわけではありません。
審査はさまざまな角度を見て、点数のようなもの(スコアリング)を付けて総合点で評価されるからです。
キャッシングの審査で仕事の勤続年数や年収は影響する?
では、勤続年数や年収は審査に影響を与えるのでしょうか?
年収はキャッシングの融資額に影響する
年収は融資額に影響を与えます。特に消費者金融には「総量規制」があり、「融資額は年収の3分の1まで」という規制があります。申し込み時に年収を記入するのは、その判断のためです。
また、下記の場合は収入証明書類が必要になります。
- 希望融資額が50万円を超える場合
- 希望融資額と他社(※)の借入額の合計が100万円を超える場合
(※:この場合の他社とは消費者金融とクレジットカードのキャッシングのことを指しています。)
そのため、年収が低い人は融資可能額の上限が低くなる可能性があります。ただし、極端に年収が少ないという場合以外では年収が原因で審査に落ちるということはほとんどありません。審査に落ちるとしたら、年収以外の要素が絡んでいると考えられます。
スコアリングを良くするには勤続年数は長い方がいい?
以前の日本は終身雇用制があり、学校卒業時に入社した会社を定年退職まで勤め上げるという人がたくさんいました。その場合、毎年少しずつでも昇給していくので、勤続年数が長いということはそれなりに年収も多いと考えられていました。
今もそういったケースはもちろんありますが、転職をしてステップアップするという人もいます。また、会社員から独立して起業するケースもあります。一方で会社の業績悪化で不本意ながら転職をして、勤続年数が短いという人もいます。
このような社会状況の中で勤続年数だけでその人を判断するのは難しい時代になっています。キャッシングの審査では勤続年数が長い人は評価が高い傾向があると考えられますが、勤続年数が短いからという理由で審査に落ちることは少ないでしょう。
仕事をしていない専業主婦でもキャッシングの審査に通る!?
なお、消費者金融は自分で働いて収入を得ていることが融資の条件になっています。そのため、専業主婦は利用できません。しかし、銀行カードローンの中には、専業主婦でも利用できるものがあります。
自分は働いていないけれど、配偶者の収入が安定していれば利用が可能です。その場合に配偶者の同意や配偶者の審査などは実施されません。
キャッシングの審査対象は仕事の有無だけではない!
キャッシングは基本的に仕事を持ち、安定した収入を持っていることが利用条件になっています。しかし、仕事をしていても、審査に落ちることがあります。
実際、キャッシングの利用条件には、次の項目が記されています。
- 20歳以上であること
- 安定した定期的収入があること
- 返済能力があること
- 当社(借りる会社)の基準を満たすこと
なお、銀行カードローンの場合はここに「日本国内に居住していること(外国籍の人は永住権または特別永住権があること)」や「保証会社の保証を受けられること」の条件が加わります。
この内容を見ても、ただ20歳以上で安定した定期的収入があるだけでは借りられないということがわかります。
特に審査で重要なポイントを「安定した定期的収入」「返済能力」「信用度」の3つの側面から見ていきましょう。
キャッシングの審査はどこがやっているの?
上記の利用条件の中で、消費者金融は「自社の基準を満たすこと」、銀行カードローンは「保証会社の保証を受けられること」とあります。
消費者金融の審査は自社で行っていますが、銀行カードローンは保証会社に審査と保証を依頼しています。そのため、このような書き方になっています。
ちなみに大手銀行カードローンの保証会社は下記の金融機関が引き受けています。
銀行カードローン | 保証会社 |
---|---|
三井住友銀行カードローン | SMBCコンシューマーファイナンス★ |
三菱UFJ銀行カードローン 「バンクイック」 |
アコム★ |
イオン銀行カードローン | イオンクレジットサービス▲、またはオリックス・クレジット★ |
オリックス銀行カードローン | オリックス・クレジット株式会社または新生フィナンシャル株式会社 |
みずほ銀行カードローン | オリエントコーポレーション■ |
auじぶん銀行カードローン | アコム★ |
楽天銀行カードローン | 楽天カード■★、セディナ■ |
★消費者金融・貸金業者
■信販会社・クレジットカード会社
▲保証事業
この表でもわかる通り、保証会社は消費者金融や信販会社などが行っています。それだけこれらの会社の審査能力が高くノウハウの蓄積があるということがわかります。
キャッシングの審査では返済能力も重要なカギ
キャッシングは貸したお金を貸してもらわないと事業が成り立たなくなります。そのために、その人が本当に返済できるのかどうかという「返済能力」を審査しています。
キャッシングの返済能力は年収だけではわからない
収入が多ければ返済能力があると言えるでしょうか?
答えは「NO」です。例えば年収が600万円の人でも複数の借入先から500万円も借りていたらどうでしょう。毎月の返済額を計算すると、下記のようになります。
借り入れ先 | 借入額 | 金利 | 毎月の返済額 |
---|---|---|---|
A消費者金融 | 100万円 | 15.0% | 3万円 |
B消費者金 | 90万円 | 18.0% | 32500円 |
C銀行カードローン | 150万円 | 14.6% | 51000円 |
D銀行カードローン | 160万円 | 14.5% | 3万円 |
合計 | 500万円 | 143500円 |
年収が600万円の場合、1ヶ月に換算すると月収は50万円(12で割った場合)になります。
50万円の収入があったとしても、キャッシングの返済だけで143500円も支払っていたら生活は苦しいと言えるでしょう。そこに追加でキャッシングを申し込んでも、「返済できるのか?」と疑問を持たれます。
キャッシング審査における返済能力の判断基準
返済能力の判断は年収、他社の借入件数、他社の借入残高などから結果を出すと考えられます。次にご説明する信用情報機関の登録内容も影響しています。ただ、この場合も明確な基準は非公開なのでわかりません。
もちろん、消費者金融の場合は「年収の3分の1」を超えると総量規制にかかるため、融資はできなくなります。
キャッシングの審査では仕事をしていても信用情報に問題があると通らない
最後に一番重要なポイントである「信用情報」についてご説明します。
信用情報とは信用情報機関に登録されている個人の情報のことです。ここにはキャッシングやカードローンをはじめ、クレジットカード(ショッピング、キャッシング)、住宅ローンなどの各種ローンの利用に関する情報が登録されていて、金融機関は審査の際に問い合わせをして参考にしています。
信用情報機関の登録内容を知っておこう
信用情報機関の登録内容は自分でも問い合わせをして閲覧することができます。特に気になることがなければ普通は閲覧することはありませんが、どんな内容が登録されているのかは知っておくといいでしょう。
登録内容 | 具体的な内容 | 登録期間 |
---|---|---|
本人を特定する内容 | 氏名(フリガナ)、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、勤務先名、運転免許証の記号番号など | 下記契約内容が登録されている間 |
契約内容 | 契約した会社(銀行)名、商品名、契約日、契約金額など | 完済から5年間 |
返済情報 | 返済商品(返済先)返済日、返済金額、延滞情報、残高、完済日 | 完済から5年間 |
金融事故情報 | 自己破産、任意整理、個人再生などの有無とその年月日 | 5年~10年間 |
申し込み情報 | 申し込み先、申し込み商品、申し込み年月日 | 申し込みから6ヶ月間 |
仕事をしていても信用情報に問題があれば審査はNG
キャッシングの審査では必ず信用情報機関に内容を照会しています。この内容に問題があれば、たとえ年収が多いとか勤続年数が長い、大企業に勤めていても審査は通らなくなります。
ただ、その基準は非公開なので、誰にもわかりません。
携帯電話の本体代金の支払い遅延も問題!
クレジットカードや他社のキャッシングの支払いは遅れたことがないという人でも、なぜか審査に落ちることがあります。その場合は携帯電話の本体代金の支払いが遅れていないか考えてみましょう。
携帯電話の通話料(通信料)の支払いは少々遅れても信用情報に問題はないのですが、本体代金を分割払いにしている場合は要注意です。これは「個別信用購入あっせん契約」という割賦販売となり、返済が遅れると上記の信用情報機関に登録されます。
その結果、キャッシングなどの審査に影響を与えます。
もし仕事をしているのに審査に落ちたという場合は、これらが原因です。自分に思い当たることがあれば、それを解消してから申し込むようにしましょう。