キャッシングの審査では年収と職業のどちらが重要?勤続年数・勤務先も影響する?
キャッシング審査で重要視される項目は、年収・勤続年数・勤務先の中では、年収が一番です。勤続年数がその次に重要で、勤務先は最後。しかし、勤務先が「公務員」の場合はいきなり有利になります。
キャッシングの審査はさまざまな項目を調べています。ただ、どんな内容を審査して、どんな基準で融資額を決めるのかは明らかにされていないので、わかりません。
例えば年収と職業は、どちらが重要視されるのか? それ以外の要素は関係するのか? など、キャッシングの審査内容について詳しくご説明します。
キャッシングの審査の目的
キャッシングの審査はさまざまな要素を見て融資が可能か判断しています。
キャッシングは誰でも申し込める?
キャッシングはどんな職業でも申し込めるのでしょうか? 審査項目を見る前に、キャッシングの申し込み条件を見てみましょう。キャッシングの申し込みができるのは、次の条件を満たす人です。
- 20歳以上であること
- 安定した収入があること
- 返済能力があること
- 審査基準を満たす人(または保証会社の保証が受けられること)
なお、年齢の上限は金融機関によって異なります。また、金融機関によっては「日本国内に居住していること」が条件で、外国籍の人は永住権や特別永住権があることが条件になっています。これを見る限り、申し込みができない職業というのはありません。
金融機関の審査基準とは?
キャッシングの利用は「20歳以上で安定した収入があればOK」と思いがちですが、実は上記のように「返済能力があること」や「当社(借りる会社)の審査基準を満たすこと」「保証会社の保証を受けられること」が条件になっています。
しかし、自分自身が審査基準を満たしているかどうか、保証会社の保証を受けられるかどうかは自分ではわかりません。申し込みを受けた金融機関はさまざまな角度でそれを審査します。
保証会社とは
消費者金融の申し込み条件には「当社の基準を満たすこと」という項目があり、銀行カードローンは「保証会社の保証を受けられること」という項目があります。実は銀行は金融機関ではありますが、カードローンの審査と保証は保証会社に依頼してやってもらっているのです。
保証会社とはお金を貸した人が返済できない場合に代わりに返済(弁済)する会社です。返済できなくなると保証会社が立て替えなければならないために、しっかりと審査をしています。
保証会社は消費者金融や信販会社が多い
大手銀行カードローンの保証会社は次の通りです。
銀行名 | 保証会社 |
---|---|
三菱UFJ銀行 | アコム(株)(※1) |
auじぶん銀行 | アコム(株)(※1) |
ソニー銀行 | アコム(株)(※1) |
三井住友銀行 | SMBCコンシューマーファイナンス(株)(※1) |
みずほ銀行 | (株)オリエントコーポレーション(※2) |
イオン銀行 | イオンクレジットサービス(株)(※3)、オリックス・クレジット(株)(※1) |
楽天銀行 | 楽天カード(株)(※2)、(株)セディナ(※2) |
オリックス銀行 | オリックス・クレジット(株)(※1)、新生フィナンシャル(株)(※4) |
(※1)消費者金融業者
(※2)信販会社(クレジットカード会社)
(※3)保証事業を行う会社
(※4)消費者金融業・保証事業を行う会社
このように銀行カードローンの審査と保証は消費者金融業者や信販会社が行っています。
キャッシング審査で重要なのは返済能力
キャッシング審査のポイントは「返済能力があるかどうか」です。例えば友達や知人から「お金を貸してほしい」と言われた場合を想像してみましょう。その人が「絶対に返すから!」と言われても、病気療養中で働けなかったり、失業中で次の仕事のメドが立っていなかったりしたら、「絶対に返すって言うけれど、どうやって返すの?」と思ってしまいますよね。
その人が本当に困っていて力になりたいと思うなら、「返してもらえなくても仕方がないから助けてあげよう」という気持ちで貸すことはあるかも知れません。しかし、「返済能力」という点では不安があります。
返済能力の裏付けがあるかどうかを審査する
一方、「勤めていた会社が倒産してしまって先月の給料が入らなかったんだ。だから、今たちまち生活する分のお金を10万円貸してほしい。でも、来月からは次の就職先が決まったから、給料から2万円ずつ5回に分けて返すよ」と言われたらどうでしょう。きちんと返済できることがわかれば、安心して貸すことができますね。
キャッシングも同じです。特にキャッシングは貸したお金に利息をつけて返済してもらうことで事業が成り立っています。そのため、「本当に返せるのかどうか」を審査で確かめる必要があるのです。
キャッシングの審査で重要なのは年収なのか?職業なのか?
審査項目は申し込み書でわかる?
キャッシングの審査内容は公表されていませんが、どんな項目が審査されるのか予測してみましょう。
申し込み時にはさまざまな項目を記入しますが、それらは契約の手続きに必要というだけでなく、審査に必要だから聞いているのです。
申し込み時の記入項目を見ると審査項目が予想できます。
申し込み時の記入内容
金融機関によって多少内容に違いはありますが、ほぼ次のような内容を記入します。
(最近はネット申し込みが多く、申し込み画面から簡単に入力できるようになっています。)
記入内容 | 必要な理由 | |
本人に関する情報 | 氏名(ふりなが)、生年月日、性別、電話番号、メールアドレスなど | 信用情報機関に照会するため |
勤務先に関する情報 | 勤務先名、所在地、電話番号、業種、職種、入社年月、従業員数、雇用形態(正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、自営業)、給与形態(固定給、一部歩合制、完全歩合制)、年収など | 安定した収入を得ているか確認のため |
住居に関する情報 | 住所、郵便番号、住居の形態(一戸建て、マンション・アパート、社宅、寮など)、住居の所有者(家族所有、本人所有)、持家か賃貸か、家賃や住宅ローンの本人負担額、入居年月など | ●返済できないときの連絡先を知るため ●家賃・住宅ローンを払いながらキャッシングの返済が可能かどうか |
他社借り入れに関する情報 | 他社の借り入れ件数と金額 | ●総量規制の範囲内かどうかを確認するため ●新規融資をして返済できるかどうかを確認するため |
希望融資額 | 希望する融資額 | 年収や他社借り入れ額とのバランスを見るため |
年収が多ければ審査に通る?
「年収が多ければ審査に通りやすいだろう」と考える人が多いかも知れません。しかし、必ずしもそうとは言えないのです。
例えば次のようなケースを見てみましょう。
- Aさん:年収800万円。すでに他から5社で600万円借りているが、今月の返済ができないため30万円借りたい
- Bさん:年収150万円のパート勤務。他社ではどこも借りていない。急に子どもの学校で集金があり、お金が足りなくなったので5万円借りたい
この2人の場合、審査に通るのはどちらでしょうか?
いくら年収が多くても他社借り入れが多く、しかも返済に困っているAさんは審査は通りにくいと思われます。一方、Bさんは年収が低いため融資額はそう多くは貸してもらえないかも知れませんが、審査は通りやすいと言えます。
職業で審査に落ちることがある?
最近は働き方が多様化していて、さまざまな職業があります。職業がキャッシングの審査に影響を与えるでしょうか?
下記の職業の中で審査に通りやすい人、通りにくい人はどれだと思いますか?
- 会社経営者Aさん
- 大手企業に勤務のBさん
- 小さな雑貨屋で働くCさん
- 美容師のDさん
- 自営業で本屋を営むEさん
- 公務員のFさん
- フリーランスとして働くプログラマーGさん
- 絵本作家のHさん
- 専業農家のIさん
- ホステスとして働くJさん
答えは「これだけではわからない」ということです。たとえ会社経営をしていて年商1億円だとしても、さまざまな経費がかかり赤字経営になっている場合があります。
また、会社の借金だけでなく、本人も他社で借り入れが多いかも知れません。
同様に大手企業勤務や公務員で収入は安定しているように見えても、ギャンブルなどで多額の借金を抱えている可能性があります。
そのため、職業だけでは融資が可能かどうかは決められません。
キャッシングの審査に通りにくい職業はある!
ただし、職業そのものが収入が不安定だと思われる場合は、審査に不利になるでしょう。例えば、フリーランスや作家、アーティストなどは不安定になりがちです。
また、農業や水商売も収入が不安定というイメージがあります。しかし、最近は農業を法人化している場合がありますし、ひと口に水商売だから収入が不安定とか審査に不利とは言えない時代です。
要は職業で決まるのではなく、年収と他社借り入れのバランスが重要だということです。
キャッシング審査で重要なのは年収と他社借り入れのバランス
このように年収や職業は審査の参考にはされますが、それだけで決まるわけではありません。
消費者金融には総量規制というルールがあります。これは「貸金業法」という法律で決められているもので、「他社を含めて年収の3分の1以上を貸してはいけない」ということになっています。
消費者金融は総量規制をチェック
この場合の他社とは消費者金融とクレジットカードのキャッシングが対象で、銀行カードローンは含まれていません。銀行カードローンは「銀行法」が対象なので総量規制には該当しないのですが、やはり他社での借り入れが多いと審査は通りにくくなると言えるでしょう。
勤続年数が長いと審査に有利?
勤続年数が長い人は審査に有利になるでしょうか?
日本は年功序列の部分があるため、勤続年数が長い人の方が高年収とみなされることが多いようです。しかし、すべての人がそうだとは限りません。
優秀で他社からスカウトされて好条件で転職する人もいますし、勤続年数が長くても会社の業績が悪く年収が低いという人もいます。また、他社の借り入れが多いと審査は不利になります。
そのため、勤続年数だけでは判断できないのが現実です。キャッシングの審査ではそれ以外の要素をすべて見て結果を出しています。
カードローンの返済の遅れは要注意!
たとえ年収が高くても、他社の借り入れ件数が多いと審査では不利になります。また、借り入れ件数が少ない場合やキャッシングの利用がないという人でも、クレジットカードの支払いが遅れると、審査にマイナスの影響を与えます。
これらは「信用情報機関」に登録されていて、審査時にチェックされているのです。一度くらいは口座にお金を入れ忘れてクレジットカード代金の引き落としができなかったということがあるかも知れませんが、何度もあると「お金は貸せない」と判断される可能性があるので要注意です。
キャッシングの審査で重要なのは職業や年収だけじゃなく総合判断
これまでご説明したことをまとめると、キャッシングの審査で重要なのは職業ではないということです。また、年収が高いかどうかだけで決まるわけではありません。
- 年収
- 勤続年数
- 他社の借り入れ件数と金額
- 返済遅延の有無
- 自己破産や任意整理などの金融事故の有無
- 希望融資額
これらを総合的に判断して審査結果が出されます。