住宅ローンを組んでいるとキャッシングの審査は通りにくくなる?カードローンなら簡単?
キャッシング審査では住宅ローンを組んでいて不利になることもあれば、有利になることもあります。住宅ローンを組んだ銀行で申し込むなら、返済状況や借入残高によっては審査に通りやすくなります。
この記事の目次
住宅ローンは人生でも最大の借金と言ってもいいでしょう。数千万円を借りて、何年もかけて返済していきます。これだけの借金があると、「他のキャッシングやローンの審査は通らないのでは?」という不安をお持ちの人が多いかも知れません。
しかし、実際は「高額なお金が借りられた」という実績はその人の信用度を高めることになります。そのため、キャッシングの審査でも有利になると言われています。果たして真相は?
住宅ローンが組めるということはかなりの信用があるということ
キャッシングでも各種ローンでも、審査はその人のことを信用できないと融資はできません。これは友達や知人の関係でも同じですよね。
「あの人に貸したら返ってこないから、貸しちゃダメだよ」というウワサが流れると、もう友達からは借りることができません。これは過去に返済遅延をしたり、返さずに知らん顔していたり……という「前科」があるからです。友達関係の中では、すっかり信用を失くしているということです。
融資もそれと同じです。
住宅ローンの審査はキャッシングよりもかなり厳しい
特に住宅ローンのような高額融資は、その人に相当信用度がないと貸すことはできません。しかし、金融機関はその人のことをまったく知らないために、さまざまな角度から審査をして「本当に貸しても大丈夫かどうか」を調べるのです。
住宅ローンの審査から融資までの流れ
そこで参考のために住宅ローンの審査から融資までの流れを見てみましょう。
まず、購入したい住宅が決まると、住宅ローンを借りたい銀行を探します。そして、下記の書類を準備します。
申し込み書関係 | 住宅ローン事前審査申込書、住宅ローン借入申込書、団体信用生命保険申込書兼告知書 |
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本人確認書類 | 運転免許証と健康保険証(両方必要)、またはパスポート、印鑑証明書、住民票(同居家族の続柄が記載されているもの) |
収入証明書類 | (給与所得の人)源泉徴収票、住民税決定通知書 (個人事業主の人)確定申告書、申告所得税納税証明書 (法人代表の人)法人の決算報告書、法人税納税証明書、法人事業税納税証明書) |
購入物件に関する書類 | 売買契約書(写)、重要事項説明書、パンフレット・チラシなど、工事請負契約書、検査済証(写)、建物登記事項証明書、土地の公図など |
このように多くの書類が必要になります。内容としては本人確認書類、収入証明書類とどんな物件を購入(建築)するのかを証明する書類が中心です。
書類がすべてそろったら、銀行は審査を始めます。100万円どころか住宅ローンは数千万円の金額を貸すわけですから、審査はすごく厳格です。
住宅ローンの審査日数はカードローンよりも遙かに長い
住宅ローンの審査にかかる日数はかなり早いネットバンキングでも1週間~10日ほど、大手銀行なら1ヶ月近くかかるところがあります。
消費者金融の即日融資のようなことはありません。それだけ審査に時間をかけて、慎重に行っているということがわかります。
住宅ローンがキャッシング審査で有利になるケース
最初にも書いた通り、住宅ローンを組んでいるとキャッシングの審査に有利になるケースがあります。それはどういうことでしょうか?
住宅ローンを借りている=信用度が高い=キャッシング審査も余裕?
住宅ローンの申し込みは多くの書類を提出し、時間をかけて審査を行います。それを乗り越えて審査に通った人が、銀行からお金を借りてマイホームを手に入れているのです。
言い換えると、本人に信用度がない場合は住宅ローンは通らないということです。
「住宅ローンという高額の借金を抱えている」とブルーにならずに、「数千万円も借りられる自分はすごいぞ!銀行に信用されているんだ!」と胸を張っってくださいね。
住宅ローンの返済が順調ならOK
確かに住宅ローンは多額の借金と言えるかも知れません。しかし、何事にも慎重でお堅い銀行が数千万円というお金を貸しているのです。そこは自信を持ちましょう。
ただし、住宅ローンの返済がたびたび遅れている人は要注意です。せっかくの信用度を下げてしまいますよ。逆にきちんと返済している人は、信用度が高くなっています。
信用情報を評価するクレジットスコアとは
アメリカは日常生活にクレジットカードの利用が浸透しています。どんな支払いもクレジットカードで決済するのですが、クレジットカードの返済履歴は「クレジットヒストリー」として記録されていきます。そして、それが偏差値のように数値化されるのが「クレジットスコア」です。
クレジットカードでどんどん買い物をするのはいいのですが、いざ口座から引き落とし日になると残高不足で返済できない……という人はクレジットスコア(偏差値)が低くなってしまいます。
「クレジットスコアが低い人=信用度が低い」とみなされて、新たなローンはもちろん、引越し先の住まいの入居や就職活動にも影響すると言われています。それほどにお金に関する信用度は重要なのです。
日本にもクレジットスコアはある?
日本では明確にクレジットスコアという偏差値のようなものはまだないようですが、各金融機関では独自の審査基準を持っています。
もしクレジットカードで買い物をしても、きちんと返済していればクレジットヒストリーはいい履歴が残り、信用度は高くなります。住宅ローンのような高額融資を受けても、それを遅れることなく返済していれば、信用度は高いと判断されて、キャッシングの審査でも有利になると考えられます。
(ただし、貸金業者など複数で借りている場合など、住宅ローン以外の要件で審査がマイナス評価になることがあります。)
住宅ローンがキャッシング審査で不利になるケース
一方、住宅ローンを借りていることで、キャッシングの審査が不利になるのはどんなケースでしょうか?
住宅ローンでもキャッシングでも返済の遅れは致命的NG
住宅ローンに限らず各種ローンやキャッシング、分割払い、クレジットカードなどの支払いが遅れると、クレジットスコア(信用度)を下げてしまいます。
返済状況は審査の段階で、金融機関が信用情報機関に照会するのですべてわかってしまいます。申し込み時にごまかそうとしてもバレるので注意してください。
住宅ローンはキャッシングの総量規制の対象外
消費者金融には総量規制というルールがあり、融資額は年収の3分の1までと決められています。すでに住宅ローンを借りている人は年収の何倍ものお金を借りていますが、それは総量規制には含まれません。
総量規制の対象 | 消費者金融、クレジットカードのキャッシング |
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総量規制の対象外 | 住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、リフォームローン、銀行カードローンなど |
このように総量規制は消費者金融とクレジットカードのキャッシング、つまり貸金業者が実施する融資が対象です。住宅ローンや銀行カードローンなどの銀行が融資するものは総量規制には含まれません。
消費者金融でキャッシングを申し込む際には住宅ローンで借りた金額は気にしなくても大丈夫なのですが、返済ができるかどうかをよく考えるようにしましょう。
住宅ローンがある人はキャッシングの返済額を要チェック
すでに住宅ローンを組んでいる人は、毎月一定の返済額があります。そこにキャッシングを借りると、その分の返済が上乗せされます。
ダブルでの返済ができるのかどうかをよく考えないといけません。
住宅ローンの返済比率
住宅ローンを借りるときは、返済できるかどうかを事前に検討する必要があります。その際に利用されるのが「返済比率(返済負担率)」です。これは、住宅ローンの返済額が年収に対してどれくらいの割合になるかを示す数値です。
フラット35では次のようにしています。
年収 | 返済負担率 |
---|---|
300万円未満 | 25% |
300万円以上 400万円未満 |
30% |
400万円以上 700万円未満 |
35% |
700万円以上 | 40% |
年収300万円の人は住宅ローンとそれ以外の借入の返済総額が年収の30%に収まるようにしましょうということを意味しています。年収300万円の30%は90万円、1ヶ月に換算すると75,000円になります。
年収300万円の人がすでに住宅ローンだけで毎月の返済が75,000円になっていたら、それ以上を借りると返済が大変になってしまいます。一方、住宅ローンの返済が5万円ならば、それ以外のローンやキャッシングを借りたとしても返済はなんとかできると考えられます。
住宅ローンの繰上返済をする!「一括返済」に必要な手数料はいくら?
ただし、家庭によっては子どもの教育費や自動車の購入など、大きな出費があると思います。そういった支払いや生命保険料なども支出として計算しましょう。
キャッシングの返済は収入をよく考えて決めること
住宅ローンは長期にわたるものなので、利息も多くなります。少しでもまとまった額ができたら、こまめに返済するのがお得です。ところがキャッシングは金利が高い借入なので、住宅ローンの上にその返済もあるとどちらも返すのが大変になります。
たとえキャッシングの審査に通ったとしても、本当に返済できるのかどうかをよく考えることが大切です。
住宅ローンを組んでいる人はキャッシング前に返済シミュレーション
「今すぐどうしてもお金が必要」という切羽詰まった状況では、悠長にシミュレーションなどしている余裕はないかも知れません。しかし、各消費者金融の公式サイトでは、金利と融資額、返済回数などを入力すれば、毎月の返済額や総返済額などをすぐに計算できる「返済シミュレーション」があります。
住宅ローンを組んでいる人は、キャッシングの申し込み前に一度シミュレーションをしてみるといいでしょう。住宅ローンの返済に上乗せして返していけるのかどうかの参考になります。
住宅ローンを借りている銀行のカードローンがお得でおすすめ
銀行の中には住宅ローンを借りている人がカードローンを申し込むと、金利の優遇やポイント付与などの特典を設けているところがあります。
すでに住宅ローンで審査を受けているので、信用度も高いはずです。住宅ローンの返済が遅れていない人なら、ぜひこういった特典を利用されることをおススメします。
キャッシングは困ったときに助かる便利なものですが、住宅ローンとキャッシングの返済で共倒れにならないように、計画的に利用しましょう。