おまとめローンで一本化の罠…おまとめローン詐欺に気をつけて!
借金の一本化はメリットが多いですが、おまとめローン詐欺には注意が必要。これは、借金の一本化をせずに手数料だけ取ったり、借金の一本化はしてくれても、その後あれこれ搾取するやり口です。
借金の借入先が増える多重債務やリボ払いで全然元金が減らないなど、借金で悩む人はたくさんいます。多重債務は「おまとめローン」で一本化する方法がありますし、残高が多い場合は少しでも金利が低いところで借り換えをするのがおススメです。
ところがそういった借金で苦しむ人の心理につけ込んだ悪質な業者が存在します。ワラにもすがる思いで利用したら大変な結果に……。そうならないために、「おまとめローン詐欺」について知っておきましょう。
本来のおまとめローンとは
おまとめローン詐欺にはさまざまな手口があります。しかも、最初は詐欺だとは気づきません。それほど巧妙で、ダマされてから気づくことが多いのです。
おまとめローン詐欺についてご説明する前に、本来の「おまとめローン」を理解しておきましょう。
おまとめローンの種類
おまとめローンには次の2つがあります。
- 消費者金融が提供しているおまとめローン
- 金利の低い銀行カードローンを借りて金利が高い借入を返済する
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
消費者金融が提供する「おまとめローン」
消費者金融が提供している「おまとめローン」は「貸金業法に基づくおまとめローン」と明記しています。消費者金融は貸金業法でさまざまな取り決めがされているのですが、その中の「総量規制」で「融資額は年収の3分の1まで」と決められています。
しかし、「貸金業法に基づくおまとめローン」は総量規制の例外として認められているもので、他社の借入返済を目的にする場合は年収の3分の1以上でも融資が可能となっています。
大手消費者金融ではアイフル、アコム、プロミスが「貸金業法に基づくおまとめローン」を提供しています。
消費者金融の「おまとめローン」の特徴
消費者金融のおまとめローンには、次のような特徴があります。
- 上限金利は15.0%~18.0%
- 融資額は他社の返済分
- 利用目的は他社の返済のみ
- 追加融資はなし
- 他社への返済はおまとめローンの会社から直接振り込み(振り込み名義人は申し込んだ本人の名前)
- 総量規制の対象外で年収の3分の1以上でも可能
- 申し込み時に本人確認書類・収入証明書類・他社の借入がわかる書類(契約書やご利用明細書など)を提出する
- 利用に際して手数料や保証料は不要
銀行カードローンをおまとめローンとして利用するケース
多くの銀行にはカードローンはありますが、おまとめローンという商品は扱っていません。しかし、利用目的が自由(事業性資金は除く)であり、金利が消費者金融よりも低いというメリットを生かして、現在の借金を借り換えることができます。
銀行カードローンは総量規制がないことも借り換えにおススメできる理由になります。
銀行カードローンの特徴
銀行カードローンの特徴は以下の通りです。
- 上限金利は13.0%~18.0%(多くは14.5%程度で消費者金融よりも低い)
- 融資額は審査の結果で決まる
- 利用目的は自由(事業性資金は除く)
- 融資枠の範囲内で何度でも利用が可能
- 他社への返済は自分で行う
- 総量規制の対象外で年収の3分の1以上でも可能
- 審査は消費者金融よりも厳しい傾向
- 利用に際して手数料や保証料は不要
大手消費者金融のおまとめローンや銀行カードローンは安心!
このように大手消費者金融のおまとめローンは貸金業法を守っていますし、手数料や保証料も必要ありません。また、消費者金融側から直接借りている会社に返済されるのも安心できます。
銀行カードローンも手数料や保証料は不要です。審査はやや厳しいめですが、それも安心の証しだと言えるでしょう。
おまとめローン詐欺とは?
このように安心して利用できるおまとめローンがある一方で、「おまとめローン詐欺」と呼ばれるものもあります。
おまとめローン詐欺の手口
おまとめローン詐欺の手口はなかなか巧妙です。金融庁のホームページからいくつかの例をご紹介します。
- ダイレクトメールで勧誘を行っている
- 「保証料が必要」と保証料を先に支払わせる
- 「保険に加入するのが融資の条件」と保険料を振り込ませる
- 金利(利息)を先に支払わせる
- さまざまな名目の費用を請求する
特に本来なら必要のない費用を請求されるのが特徴です。
ダイレクトメールや電話の勧誘は要注意
悪徳業者は多重債務者や借金で困っている人の名簿を入手してダイレクトメールや勧誘の電話をかけてきます。
その際の社名は「〇〇銀行」や「〇〇キャッシング」など、いかにも本当にありそうな金融機関の名前になっています。ダイレクトメールの内容も、「低金利」「手数料不要」「これで借金を一本化」など、おいしいセリフが並んでいます。
借金の返済で困っている人は思わずすがりたくなるかも知れませんが、決して対応しないようにしましょう。
こういった業者は、次にご説明するようにさまざまな名目で費用を請求し、結果的に融資を行うことはありません。
おまとめローン詐欺で請求される費用
おまとめローン詐欺では、次のような名目で費用を請求されます。
金融庁から貸付停止命令が出ているので解除手数料が必要
融資を申し込んだところ、「あなたには金融庁から貸付停止命令が出ているが、解除するのに解除手数料が必要です」と言って手数料を振り込ませる方法です。
お金を振り込んだのに融資は行われず、詐欺だと気づくというケースがあります。
保証料が必要と言われた
融資を申し込んだら「事前に保証料が必要」と言われて、指示通りに保証料を振り込んだが融資されなかったというケースです。一般に消費者金融や銀行カードローンは担保も保証人も不要です。一方、住宅ローンなどは保証人を立てる代わりに保証料を支払って保証会社の保証を受けます。
「保証料」という言葉をなんとなく知っている人は、「保証料が必要」と言われたら「支払わなきゃ」と思ってしまうのでしょう。
特に早く融資を受けたいという気持ちが強いときは、言われるがままに保証料を振り込んでしまいます。
しかし、その後、融資されることはなく、業者とも連絡が取れないというケースが多く見られます。これも明らかな詐欺なので注意しましょう。
「保険に加入するのが融資の条件」と保険料を振り込ませる
「融資の条件として保険に加入してもらう」と言われて、先に保険料を支払うように言われたというケースです。ところが一向に融資はされず、詐欺だと気づく人が多いようです。
住宅ローンでは「団体信用生命保険(団信)」に加入することを条件にしているところがほとんどです。これは住宅ローン契約者が死亡や高度障害になった場合にローンの残金を清算するためのもので、残された遺族が高額の負債を抱えることがないように加入します。(団信の加入が不要な住宅ローンもあります。)
団信のことを知っている人は「お金を借りるには保険に入る必要があるんだ」と疑うことなく指示に従ってしまうのでしょう。
しかし、おまとめローンの契約で保険に加入する必要はありません。くれぐれもダマされないように気をつけましょう。
金利(利息)を先払いするように言われた
おまとめローン詐欺の中には「先に金利(利息)を支払うように」と指示されるケースがあります。実際に先に金利(利息)を請求されることはないため、これも詐欺の一種です。
住宅ローンの返済では「先に利息を多く払う」ということがあるため、そのイメージを持っている人は先に金利分の利息を払うように言われると「そういうものなのか」と思ってしまうのかも知れません。
さまざまな名目の費用を請求される
上記以外にも次のような名目の費用を請求されることがあります。
- 信用情報登録料
- 供託金
- 公正証書作成料
- 信用保証料
- 手数料
これらは本来は一切支払う必要がないものです。中には数十万円~数百万円などの高額な費用を請求するケースがあり、しかも、融資より先に支払わせるところがほとんどです。その後、連絡を取っても電話に出ないなどのトラブルが発生しています。
おまとめローン詐欺でダマされた費用は戻ってこない!?
おまとめローン詐欺はいわゆる振り込め詐欺や特殊詐欺と同じで、非常に巧妙な仕組みになっています。支払ってしまった費用を取り戻すことはまず不可能だと言っていいでしょう。
最近は郵送させるケースも
振り込み先に指定した口座は詐欺グループのものではなく、赤の他人に作らせた口座を買い取るなどして利用しています。そのため、詐欺グループの実態がつかめない仕組みになっています。
さらに最近は振り込みではなく、郵送させるケースが多発しています。事務代行業者などを受け取り人にして、バイク便で受け取るなど足が付かない工夫をしています。
警察に訴えても、犯人を特定することは困難だと言われています。
国民生活センターや消費生活センターなどの相談窓口もありますが、一度支払ったお金を取り戻すことはほぼ不可能です。
おまとめローン詐欺に合わないために
「お金貸します」「ブラックでも融資可能」などと書かれたダイレクトメールが届くと、「これで何とかなるかも!」とすがりたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、世の中には平気で人をだましてお金を搾取する人がいるということを忘れないようにしましょう。
おまとめローンは大手金融機関を利用すること
当サイトでご紹介しているように、アイフル、アコム、プロミスといった大手消費者金融では「おまとめローン」を提供しています。年収の3分の1以上での融資が可能です。
悪徳業者にダマされる前に、一度相談してみましょう。
どうしても返済できない場合は債務整理も
アイフル、アコム、プロミスのような大手では審査をきちんと行っています。もし審査に落ちてしまった場合は、現状のまま頑張って返済するか、債務整理をするという方法があります。
債務整理には自己破産や任意整理などいくつかの方法があり、どれが一番いいかは債務整理に強い弁護士さんに相談してみましょう。数年間はお金が借りられないというペナルティはありますが、返済の苦労からは解放されます。
参考:借金返済・相談は弁護士へ|費用を払ってまで弁護士に依頼する理由は?
そうならないためにも、普段からキャッシングは計画的に利用するようにしましょう。